
小児歯科ではレントゲン撮影を行うことがありますが、「子どもにレントゲン撮影をして大丈夫だろうか」と不安に思う親御さんも多いのではないでしょうか?確かに、レントゲン撮影ではX線が照射されるため、被ばくが心配という方もいるかもしれません。
今回は、子どもの歯のレントゲンの安全性について解説します。そのほかにも、レントゲン撮影のメリットやレントゲン撮影が必要なケースもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
子どもの歯のレントゲン撮影は安全?

レントゲンの放射線量が気になる親御さんも多いかと思いますが、子どもに使用しても問題ありません。まず、撮影時には防護用エプロンを着用し、身体への影響を最小限に抑えます。
一般的に、健康被害が出るといわれる放射線量は年間100mSv(ミリシーベルト)ですが、例えばパノラマレントゲンの1回あたりの放射線量は、約0.008~0.01mSvとごく僅かです。
以上のことから、レントゲンにおける放射線量は、安全性の面で問題ないと言えるでしょう。
歯科レントゲンの放射線量(1回あたり)
|
レントゲンの名称 |
放射線量 |
|
デンタルレントゲン |
約0.008~0.01mSv |
|
パノラマレントゲン |
約0.03mSv |
|
歯科用CT |
約0.1mSv |
レントゲン撮影にはメリットがたくさん!主なメリットは4つ
「レントゲン撮影って子どもの歯の治療に本当に必要?」と思う親御さんもいるかもしれません。しかし、子どもの歯をレントゲン撮影することには、さまざまなメリットがあるのです。主なメリットは、以下の通りです。
- 歯のトラブルを発見できる
- 歯並びや顎の骨格がわかる
- 虫歯の有無や進行度がわかる
- 治療の経過がわかる
歯のトラブルを発見できる
子どもの歯は乳歯から永久歯へと生え変わりますが、すべての歯が順調に生え変わるとは限りません。ときに永久歯がなかなか生えてこなかったり、乳歯がいつまでも抜けなかったりするなどさまざまなトラブルがあります。
そんなときにレントゲン撮影することで、永久歯がどの辺りまで生えてきているか、歯茎の中に余分な歯(過剰歯)や埋まっている歯(埋伏歯)がないかなどを確認して、抜歯や矯正の必要性をいち早く判断できるのです。
歯並びや顎の骨格がわかる
レントゲンでは、歯並びや顎の骨格を確認することも可能です。時々、歯茎の中の永久歯が横に向いていたり顎の骨格バランスに問題があることもあります。
レントゲンで歯並びや骨格に問題があると判断した場合、早期に矯正治療を開始して、抜歯せずに歯並びを改善できる可能性があるのです。
虫歯の有無や進行度がわかる
虫歯=歯に穴が開いている、黒くなっているというイメージを持つ方が多いですが、実はそうとは限りません。見た目は健康な歯と変わらず、歯と歯の隙間や歯の溝の深部から虫歯が進行しているケースもあります。
さらに、子どもの歯すなわち乳歯は、虫歯になっても穴が開いていないことも多いため、目視だけでは見逃してしまう可能性があります。しかし、レントゲン撮影をすることで、虫歯を早期発見できれば、比較的痛みを伴わず短時間での治療が可能となります。
治療の経過がわかる
治療の経過を観察したいとき、レントゲン撮影を複数回行うこともあります。例えば、虫歯を治療する際、歯の内部に薬品等を充填することがありますが、レントゲンにより薬品が患部にまで届いているか、歯の内部にまんべんなく充填されているかなどを確認できます。
定期的にレントゲン撮影することで、口腔内のトラブルにも迅速に対応できるため、症状の悪化を防げるのです。
レントゲン撮影を行うのはどんなとき?
レントゲン撮影を行うケースは小児歯科によって異なりますが、主なケースは以下の通りです。
- 目視による診察では判断が難しいとき
- 矯正治療を検討するとき
- 外傷があったとき
- 小児歯科を初めて受診するとき
目視による診察では判断が難しいとき
虫歯は、目に見えるところにできるとは限りません。例えば、歯と歯の間、奥歯などが虫歯になった場合、目視だけで虫歯の進行具合を判断できないこともあるでしょう。
こんなときはレントゲン撮影によって、虫歯がどれくらい進行しているかを判断します。特に乳歯の虫歯はあっという間に進むことがあります。だからこそ、目に見えない部分までしっかりチェックすることが大切です。
矯正治療を検討するとき
矯正治療を検討する際には、骨格のバランス、歯の位置や歯並び、歯根の状態などを正確に把握する必要があります。レントゲン撮影により、これらの情報を入手することで、最適な矯正治療のタイミングを検討します。
外傷があるときや痛みがあるとき
お子さんが転倒や事故で歯をぶつけた場合、歯根が損傷したり歯を支える骨が骨折したり、歯の位置がずれたりする恐れがあります。レントゲンにより、内部の状態を確認することで、適切な治療を行うことが可能です。
初めて受診するときや定期検診のとき
小児歯科を初めて受診するときは、歯科医がまずお子さんの口の中の状態をしっかり確認します。お子さんに合った治療計画を立てるためにも、レントゲンは重要な役割を果たします。
初回だけでなく、定期検診でもレントゲンを撮影する歯科医院があります。これは、成長に伴う歯や顎の変化を継続的に確認できること、そして虫歯の早期発見にもつながるからです。
子どもに使用するレントゲンの種類

最初に、レントゲンにはどんなものがあるかご紹介します。主な種類は、以下の4つです。
- デンタルレントゲン
- パノラマレントゲン
- セファログラム
- 歯科用CT
デンタルレントゲン
デンタルレントゲンとは、1本または3~4本の歯を撮影するレントゲンのことです。デンタルフィルムという小さなプレートを口の中に入れ、外側からX線の照射を行うことで、虫歯の深さや神経との距離、歯の根や骨に異常の有無などを確認します。
「虫歯の進行具合が知りたい」「乳歯がなかなか抜けない」「永久歯が生えてこない」など内部確認が必要なときは、デンタルレントゲンが役立ちます。
パノラマレントゲン
パノラマレントゲンとは、顎全体など広範囲を撮影するレントゲンのことです。撮影時は、レントゲン用の撮影機が顔の周りを約20秒ほど1周します。このレントゲンは、親御さんも経験したことがある方も多いのではないでしょうか?
歯並びの状態や顎の成長具合を確認することができるのも、このレントゲンの大きな特徴です。また、歯の本数が多い・少ない場合や永久歯が生えてこないときも、パノラマレントゲンが必要になることが多いです。
セファログラム
頭部X線規格写真とも呼ばれるセファログラムは、名前の通り頭部用のX写真です。矯正治療を行う際に使用するレントゲンで、虫歯の確認で使用することはありません。
セファログラムでは、顎の位置や骨格のズレ、歯の傾きなどを正確に測定することができ、出っ歯や受け口などの不正咬合を診断する際にも欠かせないレントゲンと言われています。
歯科用CT
歯科用CTは、他のレントゲンと大きく異なる点があります。それは他の3つが平面画像を撮影するののに対して、歯科用CTは3D画像を撮影できるということです。
まだ生えていない歯や歯根の向き、生えてこない歯を邪魔しているものなどの確認も、歯科用CTならば可能です。一般的に、矯正治療など、緻密な計画が必要な治療に使われます。
子どもの歯のレントゲンに関するQ&A
子どもの歯のレントゲンについて大まかなことは理解できたものの、まだ不安がある方もいるのではないでしょうか?そこで、特に多い質問を3つ選んでみました。ぜひご一読ください。
レントゲンは何歳からOK?
一般的には、3歳前後からレントゲン撮影が可能です。なぜなら、3歳はある程度話が理解できて数秒間じっとしていられる年齢だからです。
しかし、成長には個人差があるので、3歳だからといって無理にレントゲン撮影をすることはありません。お子さん一人ひとりの成長に適したタイミングで、レントゲン撮影を行うことが望ましいです。
歯のレントゲンの費用は?
デンタルレントゲンとパノラマレントゲンの一般的な費用は、おおよそ以下の通りです。歯のレントゲン撮影は、一部分を撮影するデンタルレントゲンよりも広範囲を撮影するパノラマレントゲンの方が費用が高いです。
とはいえ、両方とも保険適用なので、患者様の負担はそれほど大きくありません。
|
レントゲンの種類 |
費用 |
|
デンタルレントゲン |
1枚あたり100~200円(保険適用) |
|
パノラマレントゲン |
1枚1,000~1,200程度(保険適用) |
レントゲン撮影は子どもだけで大丈夫?
レントゲン撮影では、動かないことやスタッフの指示に従うことが必須ですが、お子さんによっては難しいこともあります。お子さん一人で難しそうな場合は、親御さんがお子さんを抱いたり体を支えたりする必要がありますので、ご留意ください。
子どもの歯のレントゲンは安心して受けられます
子どもの歯のレントゲン撮影は、安全性に十分配慮して行われます。放射線量はごくわずかで、体への影響を心配する必要はほとんどありません。レントゲンは、虫歯や歯の状態を正しく把握し、適切な治療を行うために欠かせない大切なツールです。
ヨクシオ歯科交野星田では、嫌がるお子さんに無理に治療を行うことはありません。お子さんが怖い思いや不快な思いをせず、安心して通えるよう、お子さんのペースを尊重しています。
虫歯や歯の発達、噛み合わせなどに少しでも気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。早めの確認が、将来のお子さんの健やかな歯の健康につながります。
