5歳の子どもがサ行を言えないとき|原因と遊びながら見守るコツ|交野市の歯医者|ヨクシオ歯科交野星田

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5歳の子どもがサ行を言えないとき|原因と遊びながら見守るコツ

5歳の子どもがサ行を言えないとき|原因と遊びながら見守るコツ

「さかな」が「たかな」になる5歳の話し方、家で見ておきたいこと


お迎えのときに、担任の先生から「お友達に聞き返されていました」と聞いた日。家では気にならなかった「たかな」という言い方が、急に気になり始めることがあります。サ行の言いにくさは幼児期によく見られますが、年齢だけでは様子を見てよいかどうか判断できません。この記事では、音の変わり方、舌と息の使い方、歯並びや口の癖との関わり、言い直しを求めずに絵本やしりとりで言葉に触れる工夫、相談先の選び方を順に説明します。練習を日課にしなくても、見ておく点がわかれば落ち着いて見守れます。


この記事の要点まとめ


  • 5歳のサ行は年齢だけで判断せず、音の変化や伝わりやすさ、話す意欲を見守る。
  • 舌や息、歯並び、聞こえや鼻の状態などが関わることがあり、発音だけで発達障害とは判断できない。
  • 家では言い直しを求めず会話や遊びを楽しみ、聞き返しや本人の困りごとが続けば相談する。

5歳でサ行が言えないのは、何歳まで見守ってよいですか?

5歳でサ行が言えないのは、何歳まで見守ってよいですか?

5歳という年齢だけで、「まだ待てる」とも「相談した方がよい」とも決められません。発音の育ち方には個人差があります。音がどう変わっているか、周りにどれくらい伝わっているかを併せて見ることが目安になります。


3歳・4歳・5歳では、発音の育ちをどう捉えますか?


3歳から5歳にかけて、言える音は少しずつ増えていきます。サ行やざじずぜぞは舌の細かな動きが必要な音なので、5歳になっても言いにくさが残るお子さんはいます。


「就学前までに言えれば問題ない」と聞くこともありますが、すべての子に当てはまる線引きではありません。子どもの発音については、言える音の数だけでなく、周りへの伝わりやすさや生活の中での困りごとも含め、医師にご相談ください。


「さかな」が「たかな」になるとき、ほかにどんな言い方がありますか?


音の誤り方は、主に次の3つに分けられます。


  • 置き換え:「さかな」が「たかな」になるなど、別の音に変わる
  • 省略:「せんせい」が「えんえい」になるなど、音が抜ける
  • ゆがみ:どの音とも言いにくい、こもった音に聞こえる

置き換えは、発音が育つ途中でもよく見られます。ゆがみが続く場合は舌の使い方の癖が関わっていることもあります。お子さんがどの言い方に近いかを覚えておくと、相談するときに伝えやすくなります。


年齢のほかに、どんな変化を見ておくとよいですか?


見ておきたいのは、初めて会う大人にも話が伝わるか、言いにくい音が増えているか減っているか、本人が話すこと自体を避けていないか、の3点です。数か月前より言える音が増えていれば、育ちの途中と考えやすくなります。


ポイント

年齢だけで決めず、「伝わりやすさ」「変化の向き」「本人の話す意欲」の3つを手がかりに見守りましょう。


子どもがサ行をうまく言えないのは、なぜですか?


原因は一つに決まるものではありません。舌と息の使い方、聞こえ、口の状態などが関わる可能性があります。歯並びや舌の力だけで原因を決めつけず、発音や口の機能について医師にご相談ください。


舌と息は、サ行の音にどう関わりますか?


サ行を出す際は、舌と息の動きが関わります。動かし方には個人差があるため、気になる場合は医師にご相談ください。舌先が歯ぐきにぴったり付くと息がいったん止まり、「た」に近い音になります。「さかな」が「たかな」になるのは、この形のときによく見られます。


家で舌の位置を細かく指示する必要はありません。それよりも、カ行など別の音にも言いにくさがあるかを見ておくと、相談するときの手がかりになります。


歯並びや口が開く癖、舌圧は原因になりますか?


関わることはありますが、見た目や数値だけで原因を特定することはできません。前歯にすき間がある場合や、食事中やテレビを見ているときに口が開いたままの状態が続く場合は、舌が前に出やすくなることがあります。


舌圧(舌が上あごを押す力)や口唇閉鎖力(唇を閉じる力)の検査については、医師にご相談ください。食べる・話す・飲み込む機能をまとめて相談することもできます。ただし、歯並びを整えれば発音も変わるとは言い切れません。


聞こえにくさや鼻づまりも確かめた方がよいですか?


はい。原因を口だけに絞らないために、確かめておきたい点です。呼んでも振り向かないことが増えた、テレビの音を大きくしたがる、鼻づまりで口呼吸が続いている、といった様子はありませんか。


こうした様子があれば、耳鼻咽喉科で耳や鼻の状態を診てもらうと、ほかの要因と分けて考えやすくなります。


サ行が言えないだけで、発達障害と考えるべきですか?


サ行の発音だけで、発達障害かどうかは判断できません。言葉の理解や会話のやり取りにも気になる点がある場合は、発音とは分けて相談すると状況を整理しやすくなります。


発音だけで判断できないのはなぜですか?


同じ「たかな」という言い方でも、背景はお子さんによって違います。舌の動きが育つ途中の場合もあれば、聞こえや言葉全体の発達が関わる場合もあります。


自閉スペクトラム症のある就学前の子どもを対象にした研究では、音の誤り方の型が、言葉の発達の課題に気づく手がかりになり得ると報告されています1。ただし、これは限られた集団を対象にした結果です。ほかの子どもの判定にそのまま使えるものではありません。


言葉の理解や会話も気になるときは、何を伝えればよいですか?


発音以外にも気になることがある場合は、普段のお子さんの様子を具体的に伝えると、相談先が状況を把握しやすくなります。

例えば、「靴を履いてから帽子を取ってきて」といった2つの指示を理解して行動できるか、園での出来事を順番に話せるか、質問に対して内容の合った返事ができるかなどです。

発音の状態だけでなく、言葉の理解や会話の様子も合わせて確認することで、お子さんの言葉の発達をより幅広く捉えることができます。こうした複数の側面から言葉の発達を評価する考え方は、研究でも取り上げられています1。


園で聞き返された本人には、どう声をかけますか?


まずは「伝わらなくて、もやもやしたね」と気持ちを受け止めてあげてください。言い方を直すより、「それで、さかなはどうだったの?」と話の中身に耳を傾ける方が、話したい気持ちを保ちやすくなります。


からかわれている様子があれば、担任の先生に伝えて、園での関わり方を一緒に考えてもらいましょう。


言い直しを求めず、家で言葉に触れるにはどうしますか?

言い直しを求めず、家で言葉に触れるにはどうしますか?

練習を日課にするよりも、お子さんが話したくなるやり取りを増やす方が続けやすく、親子の負担も軽くなります。発音への支援の方法はお子さんによって異なるため、医師にご相談ください。遊びだけで発音が変わるとは限らない点も知っておきましょう。


絵本でサ行の言葉が出たとき、どう返しますか?


言い直しは求めず、話の内容を受け止めてから、大人が自然な発音で繰り返します。たとえば「たかな、およいでる」と言われたら、「ほんとだ、さかながおよいでるね」と返すだけで十分です。


「さ」を強く言ったり、ゆっくり言わせたりはしません。会話の流れの中で、正しい音を耳にする機会が自然に増えていきます。


しりとりを発音の試験にしないためには?


音を間違えても遊びを止めず、言葉探しそのものを楽しみましょう。「たかな」と言われても、「さかな、いいね。次は『な』だね」と続ければ、お子さんは注意されたと感じにくくなります。


慌ただしい夕方や、疲れている日は無理に続けなくてかまいません。お風呂や車での移動中など、数分で終わる場面に取り入れると続けやすくなります。


家庭で舌や息の練習を始めた方がよいですか?


発音の状態を確かめないまま、見よう見まねで同じ練習を繰り返させることはおすすめしません。間違った動きが癖になったり、話すことが苦手になったりする場合があります。練習が必要かどうか、どんな方法が合うかは、言語聴覚士(話す・聞くことの専門職)などに相談して決めましょう2。


ポイント

家庭では「直す」より「楽しく話す」場面を増やしましょう。練習が必要かどうかは専門職と相談して決めます。


園で聞き返される場面が続いたら、どこへ相談しますか?


聞き返される場面が続く、本人が話すことを避ける、聞こえにも変化がある。こうした場合は、就学まで待たずに相談してかまいません。相談先ごとの役割を知っておくと、どこに声をかけるか決めやすくなります。


様子を見るだけにせず相談したいのは、どんなときですか?


次のような様子が数か月続くときは、相談を考える目安になります。園や家で聞き返される場面が減らない。本人が「話したくない」と言う。サ行以外にも伝わりにくい音がいくつかある。


発音を評価するときは、本人がどれくらい困っているか、生活にどう影響しているかも確認します3。聞こえ方や話し方が急に変わった場合は、早めに医療機関へ相談してください。


歯科・耳鼻咽喉科・小児科・言語聴覚士には何を相談できますか?


相談先 主に相談できること
歯科 歯並び、口の開き方、舌や唇の動き、食べる・飲み込む機能
耳鼻咽喉科 聞こえ、耳や鼻の状態
小児科・自治体の発達相談 言葉を含めた発達全体
言語聴覚士・ことばの教室 発音や言葉の評価と支援

歯科だけで発音の原因を判断することはできません。発音や言葉への支援は、子どもの状態を評価したうえで方法を選んでいきます32。気になる点に合わせて、相談先を組み合わせてください。


交野市で相談するとき、何を控えておけばよいですか?


どの相談先でも、次のことをメモしておくと話がスムーズです。


  • 言いにくい言葉と、実際の言い方(例:さかな→たかな)
  • いつ頃から気になっているか
  • 園の先生から聞いた様子と、本人の困りごと
  • 聞こえ方や鼻づまり、食事中に口が開いているか

交野市内で定期的に通っている歯科があれば、検診のときに口の状態を聞いてみるのも一つの方法です。当院では、むし歯や歯並びだけでなく、食べる・話す・飲み込むといった口の機能の育ちにも目を向けて診療に取り組んでいます。発音そのものについては、言語聴覚士や発達相談の窓口の方が相談しやすい場合もあります。メモを手元に置いて、まずは気になる点に近い窓口へ連絡してみてください。


よくある質問


Q. ADHDの子どもの話し方には特徴がありますか?


A. 早口になる、話題が次々に移るといった様子が見られることはあります。ただし、話し方だけでADHDかどうかは判断できません。サ行の言いにくさとは別の話なので、気になる場合は小児科や自治体の発達相談に相談してください。


Q. ことばの教室には、申し込めばすぐ通えますか?


A. 申し込みから面談を経て通い始めるまでに、時間がかかることがあります。対象年齢や受け付けの方法も自治体によって異なります。通い始めた後は、家庭での練習も教室の指示に合わせて進めると、方法が食い違わずに済みます。


Q. 舌圧の検査では何がわかりますか?


A. 舌が上あごを押す力を測る検査で、食べる・飲み込むといった口の機能を見る手がかりの一つになります。数値だけで発音の原因が決まるわけではありません。ほかの様子と合わせて歯科医師が判断します。


Q. カ行も言いにくい場合は、早めに相談した方がよいですか?


A. サ行に加えてカ行なども伝わりにくい場合は、その旨を早めに相談先へ伝えておくと状況を整理しやすくなります。どのくらい急ぐかは、伝わりやすさや本人の困り具合も含めて専門職が判断します。


参考文献


1. Miniscalco C, Reinholdson AC, Gillberg C, et al. Speech sound error patterns may signal language disorder in Swedish preschool children with autism. International Journal of Language & Communication Disorders. 2024. PMID: 39137266 / DOI: 10.1111/1460-6984.13099

2. Rodgers L, Botting N, Harding S, et al. Shared characteristics of intervention techniques for oral vocabulary and speech comprehensibility in preschool children with co-occurring features of developmental language disorder and speech sound disorder: a systematic review with narrative synthesis. BMJ Open. 2024. PMID: 39209496 / DOI: 10.1136/bmjopen-2023-081571

3. Harding S, Burr S, Cleland J, et al. Outcome measures for children with speech sound disorder: an umbrella review. BMJ Open. 2024. PMID: 38684261 / DOI: 10.1136/bmjopen-2023-081446

この記事の監修医師
医療法人 翼翔会理事長
安岡 大志
大阪歯科大学卒業後、最新の歯科治療技術を研究。数多くの症例を経験したのち、安岡デンタルオフィスを開業後、医療社団法人翼翔会の理事長に就任。臨床歯周病学会、国際口腔インプラント学会(ICOI)、日本口腔インプラント学会、日本臨床歯科学会などに所属、ICOI認定の指導医でもある。監修者プロフィール詳細を見る⇒

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