
乳歯が抜け始める平均年齢は6歳ですが、早いと5歳、遅いと8歳以降になることも珍しくありません。
乳歯が抜けない原因としては、永久歯の成長がゆっくりな場合のほか、永久歯が骨の中に埋まっている「埋伏歯(まいふくし)」、永久歯自体が生まれつき存在しない「先天性欠如」、永久歯の位置がずれている場合などが考えられます。
永久歯の成長が遅れているだけであれば、焦らず見守ることが大切です。ただし、それ以外の原因が疑われる場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。
また、グラグラしている乳歯を無理に抜くのは避けてください。歯ぐきを傷つけたり、歯の根が折れたりして、歯並びに悪影響を及ぼす恐れがあります。
グラグラした状態が長引く場合や、乳歯が抜けないまま永久歯が生えてきている状態が3か月以上続く場合は、歯科医院での処置が必要になることもあります。
乳歯が抜けない原因
お子様の乳歯がなかなか抜けず、不安になることもあるかもしれません。
乳歯が抜けにくい原因にはさまざまな理由があり、特別な治療を要さないケースも多くあります。
ここでは、乳歯が抜けないときに考えられる主な原因をご紹介します。
永久歯の成長がゆっくりしている
永久歯の成長には個人差があり、身体の成長がゆっくりなお子さんの場合は、生え変わりの時期も遅くなることがあります。
一般的には6歳ごろから乳歯が抜け始めますがお子さまによっては、7〜8歳、あるいはそれ以上になっても乳歯が抜けないことがあります。
周りの子と比べて遅れていても、それだけで異常とは限らないため、焦らず様子を見守ることも大切です。
埋伏歯(まいふくし)がある
埋伏歯とは、永久歯があごの骨や歯ぐきの中に埋まったまま生えてこない状態のことです。
埋伏歯で最も知られているのは「親知らず」ですが、前歯や犬歯、奥歯など、他の永久歯にも見られることがあります。
通常であれば、永久歯が乳歯の根を吸収しながら生えてきますが、埋伏歯の場合はこの作用が起こらず、乳歯が残りやすくなります。
歯並びや噛み合わせに影響がなければ、経過観察となることもありますが、必要に応じて外科的な処置が検討される場合もあります。
永久歯がもともと存在しない(先天性欠如)
「先天性欠如」とは、永久歯の一部が生まれつき存在していない状態を指します。
永久歯は親知らずを除いて28本ありますが、そのうちの1~数本が欠けているケースは少なくありません。
この場合、永久歯が生えてこないため、乳歯の根が吸収されず、抜け落ちないまま長く残ることがあります。
大切なのは、残った乳歯をできるだけ長く、健康に保つことです。定期的なチェックで、乳歯の状態を管理していきましょう。
永久歯の位置がずれている
永久歯は通常、乳歯の真下から生えてきて、乳歯の根を押しながら溶かし、自然と抜け落ちさせます。
ところが、永久歯が少しずれた位置にあると、乳歯の根がうまく吸収されずに残ってしまうことがあります。
この場合、乳歯と永久歯が同時に生えてしまい、「二重歯列(にじゅうしれつ)」になったり、歯列の乱れの原因になることも。
一度レントゲンで永久歯の位置を確認することをおすすめします。
癒合歯(ゆごうし)がある
癒合歯とは、2本の乳歯がくっついて1本のようになっている歯のことです。
癒合歯は正常な歯よりも幅が広い特徴があります。
そのため、次に生えてくる永久歯の方が小さいことも多く、癒合歯の根が片方しか吸収されず、抜けにくくなることがあります。
癒合歯はまれなケースですが、生え変わりの遅れや歯並びに影響を与えることがあるため、歯科医院での確認が重要です。
そもそも乳歯はいつぐらいから抜ける?

乳歯が抜け始める時期は、一般的に6歳前後です。
そして、14歳頃までにすべての乳歯が抜け、永久歯に生え替わるのが基本的な流れです。
ただし、生え替わりのスピードや順番には個人差があるため、少し早くても遅くても心配しすぎる必要はありません。
生え替わりは「前歯から奥歯へ」の流れが基本
生え替わりは、まず下の前歯からスタートするのが一般的です。
次に、上の前歯、その後に乳犬歯、小臼歯、奥歯という順番で進んでいきます。
また、6歳ごろには、乳歯の後ろから「第一大臼歯(6歳臼歯)」が生えてくることも特徴です。
乳歯の生え替わり時期の目安
| 年齢 | 生え替わる歯の部位 |
|---|---|
| 6歳 | 下の前歯(乳中切歯) 奥歯(第一大臼歯)が生えてくる |
| 7歳 | 上の前歯(乳中切歯) |
| 8歳 | 上の横の前歯(乳側切歯) |
| 9歳 | 八重歯(乳犬歯) |
| 10~12歳 | 奥歯(第一小乳臼歯・第二小乳臼歯) |
| 12~14歳 | 1番奥の奥歯(第二乳大臼歯:12歳臼歯) |
乳歯が抜ける時期は、個人差が大きい
「7歳になっても1本も抜けない…」「5歳なのにグラグラしている…」ということも珍しくありません。
体の成長と同じように、歯の生え替わりにも個人差があります。
ただし、以下のような場合は、歯科医院での確認をおすすめします。
- 明らかに適齢期より早い段階で歯が抜けそうになっている(5歳未満など)
- 転倒やぶつけたあとに歯がグラグラしている
- 永久歯が出てきているのに乳歯がしっかり残っている
これらは、むし歯や外傷、あるいは生え変わり以外の原因が関係している可能性があります。念のためレントゲンで確認すると、安心して見守ることができます。
乳歯がなかなか抜けないときの対処法
グラグラしている乳歯が抜けない場合
乳歯がグラグラしていて、今にも抜けそうなのに、なかなか抜けない。
保護者自身にもそんな経験はあるのではないでしょうか。
しかし、焦って引っ張ったり無理に抜こうとしたりしないでください。
これは、永久歯が出ようとして、乳歯の根が少しずつ吸収されている状態です。
生え替わりとしては、ごく自然なプロセスのひとつなので、基本的には何もせず様子を見るのがベストです。
ただし、以下のような場合には歯科医院に相談しましょう。
- グラグラし始めてから3か月以上たっても抜ける気配がない
- 歯磨きや食事のときに痛みが強い
- 歯が引っかかってうまく噛めない・話しづらい
一度、歯科医院で乳歯の状態や永久歯の生え方を確認してもらうことで、安心して経過を見守ることができます。
乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきたとき
「まだ乳歯が抜けていないのに、後ろや横から永久歯が見えてきた」というケースもよく見られます。
特に下の前歯に起こりやすく、保護者が驚かれることも少なくありません。
この場合、永久歯の位置が正しく、乳歯が少しずつ揺れてきているようであれば、あまり心配しすぎなくて大丈夫です。
多くの場合、自然に乳歯が抜けて、永久歯が正しい位置へおさまっていきます。
ただし、次のようなサインが見られる場合は、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
- 乳歯がまったく揺れていない
- 永久歯が横向きや大きくずれて生えてきている
- 噛み合わせが悪くなっている、またはお子さんが痛みを訴える
これは、永久歯が本来の位置とは違う場所から生えてきている可能性があるため、乳歯の根がうまく吸収されず、自然には抜けにくい状態かもしれません。
乳歯がなかなか抜けないときに避けたい行動

乳歯がなかなか抜けずに、心配になることもあるかと思います。
ですが、焦って間違った対処をしてしまうと、お口のトラブルにつながる可能性があります。
以下のような行動は避けるようにしましょう。
無理に引っ張って抜こうとする
乳歯がグラグラしていても、まだ根がしっかり残っている可能性があります。無理に引き抜こうとすると、
- 歯ぐきが傷つく
- 歯の根が途中で折れて残ってしまう
- 出血や強い痛みにつながる
などのリスクがあります。
生え変わりの流れを妨げてしまう恐れもあるため、基本的には自然に抜けるのを待ちましょう。
無理にねじる・揺らす
乳歯を早く抜きたいからといって、強くねじったり、意図的に揺らしすぎたりするのも避けてください。
無理に動かすことで、痛みが出たり、歯ぐきに負担がかかったりすることがあります。
お子さんが歯を気にして指や舌で触ってしまう場合は、「自然に取れるからそっとしておこうね」と声かけしてあげるとよいでしょう。
汚れた手で何度も触る
歯がグラグラしていると、お子さんもついつい指でさわってしまいがちです。
しかし、手についた細菌が歯ぐきに入り、炎症や感染を引き起こす可能性があります。
歯に触るときは手を清潔にしてから、そしてできるだけ頻繁に触れないようにすることが大切です。
乳歯が抜けないときに歯科医院でできる検査・処置
乳歯が抜けない原因はさまざまです。ご家庭で判断するのが難しいことも多いため、歯科医院での診察が大切です。
当院では、以下のような検査や処置を行い、必要な対応を一緒に考えていきます。
レントゲンで永久歯の有無・位置を確認
目では見えない歯の内部や骨の状態を確認できるレントゲン撮影は、診断にとても有効です。
- 永久歯がきちんとあるか
- 永久歯の生える方向や角度に問題がないか
- 余分な歯(過剰歯)が邪魔をしていないか
といったことを詳しく調べることができます。
乳歯の抜歯が必要なケースも
乳歯が自然に抜ける気配がなく、永久歯の生え方に悪影響が出そうな場合には、歯科医院での抜歯を検討することもあります。
当院では、麻酔などを使ってお子さんの負担を最小限にした処置を行いますので、過度な心配は不要です。
専門家の診断で安心を
すぐに処置が必要ではない場合でも、「今は様子を見る」という判断を歯科医と一緒にすることができます。
「診てもらって、何も問題がなかった」という安心感が得られるだけでも、保護者の不安はぐっと軽くなるはずです。
小児歯科・小児矯正は「ヨシクオ歯科 交野星田」へ
乳歯が抜ける年齢は個人差が大きく、あまり心配せず見守ることが大切です。
ただし、乳歯が抜けないときには歯科医院での検査や処置が必要な場合もあります。
「グラグラしているのに3か月以上抜けない」「二重歯列になっている」「抜けた後に生えてこない」など、不安に思われることがあれば、どんな小さなことでも構いませんので、ご相談ください。
当院では、お子さま一人ひとりのペースを大切にした治療を心がけています。
よほど緊急のケースを除き、嫌がるお子さまに無理に治療を行うことはありません。
無理に治療をすると、歯科医院が「怖い場所」という印象になってしまうからです。
まずは、治療の内容をやさしい言葉で説明し(Tell)、使う器具を見せて慣れてもらいます(Show)。
そして、お子さまが納得したうえで治療(Do)に進みます。
ごきょうだい連れでのご来院もお気軽にご相談ください。
院内にはキッズルームを備えており、お子さまが遊んでいる様子を確認できる、キッズルームに隣接した診療室もご用意しています。
電話(06-4400-7218)のほか、WEB予約・LINEでの予約も承っています。
