
高校生になっても乳歯が残っていることは、実は珍しいことではありません。
しかし、原因によっては放置すると歯並びや噛み合わせに影響したり、隣の歯が虫歯になりやすくなるリスクがあります。
乳歯の下に永久歯がない「先天性欠如」や、永久歯が歯ぐきの中に埋まっているなどの「埋伏歯」場合は、適切な対応が必要です。早めに歯科医院でレントゲン検査を受け、原因を知ることが大切です。
本記事では、乳歯が抜けない原因と考えられるリスク、治療方法について詳しく解説します。
高校生でも乳歯が抜けない4つの原因
通常、乳歯は12歳前後までに永久歯へと生え変わります。
ただし発育には個人差があり、高校生になっても乳歯が残っているケースはそう珍しくありません。
以下に、その主な原因を4つご紹介します。
1 先天性欠如(永久歯の芽がない)
「先天性欠如」とは、生まれつき永久歯の元となる歯胚(しはい)がない状態を指します。
この場合、永久歯が生えてこないため、乳歯の根が吸収されずに残り、長くその場にとどまります。
2 埋伏歯(歯ぐきの中に永久歯が埋まっている)
「埋伏歯(まいふくし)」とは、永久歯が顎の骨や歯ぐきの中に埋まったまま、外に出てこられない状態で、親知らずのほか、前歯や犬歯、奥歯にも見られることがあります。
通常、永久歯は乳歯の根を溶かしながら生えてきますが、埋伏歯の場合はこの働きが起こりません。
そのため、乳歯が抜けずに残ってしまうことがあります。
3 癒合歯(2本の歯がくっついている)
「癒合歯(ゆごうし)」とは、隣り合った2本の乳歯がくっついて1本の歯のように生えてくる状態です。
癒合歯は正常な歯よりも幅が広いため、次に生えてくる永久歯が小さく、癒合歯の根が片方しか吸収されないことがあります。
これにより、歯の生え変わりが遅れたり、歯並びに影響が出たりする可能性があります。
4 永久歯の形成が遅れている
体の成長に個人差があるように、歯が作られて生え始めるタイミングにも個人差があります。
永久歯の形成がゆっくりだと、乳歯の根が吸収されるのが遅くなり、乳歯がなかなか抜けないことがあります。
乳歯から永久歯への生え替わりタイミング
乳歯から永久歯への生え替わりは、通常6歳頃から12歳頃にかけて進みます。個人差はありますが、5〜6歳前後から乳歯の生え替わりが始まることがあります中学校卒業頃までに永久歯が生え揃います。
| 年齢 | 生えてくる歯(永久歯) |
|---|---|
| 6歳前後 | 下の前歯(中切歯)、第一大臼歯(奥歯) |
| 7〜9歳 | 上下の前歯(中切歯・側切歯) |
| 10〜12歳 | 第一小臼歯・犬歯・第二小臼歯 |
| 12〜14歳 | 第二大臼歯 |
| 17〜21歳 | 親知らず(第三大臼歯)※個人差あり |
永久歯の生え替わりで注意したい3つのこと
①永久歯の生え方や順番には個人差があります。②乳歯が長く残っていたり、生え替わりが遅れている場合は、歯並びや噛み合わせに影響することがあります。
③心配な場合は、歯科医院でのレントゲン検査や定期チェックをおすすめします。
高校生で抜けない乳歯、放置するとどうなる?
高校生になっても乳歯が抜けなくても、特に不都合がなく、虫歯など他に歯科医院を受診する理由もなければ、「放っておいてもいいか」と考えてしまいがちです。
しかし、そのまま放置すると、次のようなリスクが考えられます。
噛み合わせの乱れ
乳歯が抜けない状態=永久歯が正しい位置に生えることができない状態かもしれません。
その場合、永久歯が斜めに生えてきたり、歯列が乱れたりして、全体の噛み合わせが悪くなる可能性があります。
噛み合わせがずれると、食べ物をしっかり噛むことが難しくなったり、顎関節に負担がかかったりすることがあります。
見た目の問題
乳歯が抜けないことで、歯と歯の間に不自然な隙間が空いたり、永久歯が重なって生えてきたりすることがあります。
特に多感な時期である高校生にとっては、これがコンプレックスになってしまう可能性も考えられます。
将来的なリスク
先天性欠如により抜けずに残った乳歯は、永久歯に比べて根が短く、弱いため、将来的には抜け落ちてしまうリスクが高いです。
そうなると、その部分に歯がない状態になり、インプラントやブリッジといった欠損部を補う治療が必要になることがあります。
また、乳歯の横に生えている永久歯が虫歯や歯周病になるリスクもあります。
高校生でも乳歯が抜けないときの対処法

高校生になっても乳歯が抜けない場合、まずは歯科医院でレントゲン検査を受けたうえで、原因を正確に診断してもらうことが大切です。
診断結果によって、対処法も変わってきます。
永久歯があって、位置が正常な場合
永久歯が乳歯の真下にあり、生えてくるのを待つだけで良いと判断された場合は、焦る必要はありません。
歯科医師と相談しながら、永久歯が自然に生えてくるのを待ちましょう。
永久歯があるが、生える位置がずれている場合
レントゲン検査などで永久歯の存在は確認できても、生える位置がずれていて乳歯の根が吸収されないことがあります。
このケースでは、乳歯の抜歯が選択肢のひとつとなります。
その後、必要に応じて矯正治療で永久歯を正しい位置に誘導していきます。
永久歯がない(先天性欠如)場合
検査の結果、生まれつき永久歯の元となる歯胚がない「先天性欠如」と診断された場合、残っている乳歯をできるだけ長く健康に保つことが第一の選択肢となります。
乳歯は虫歯になりやすいため、毎日の丁寧な歯みがきや定期的な歯科検診、フッ素の活用などが非常に重要です。
しかし、がんばってはいても、乳歯は一生使えるほど強くはなく、大人になってから抜けてしまうことが多いのです。
乳歯が抜けてしまうと、歯の数が少なくなり、歯列全体のバランスが崩れることがあります。
これによって、噛み合わせや歯並びにも影響が出る可能性があります。
そのため、残っている乳歯の状態を定期的にチェックしながら、万が一抜けてしまった場合にどのような治療を行うか、あらかじめ歯科医師と一緒に考えておくことが大切です。
先天性欠如歯であった場合の治療法

先天性欠如歯であった場合、そのまま放置すると歯並びやかみ合わせに影響が出たり、見た目や咀嚼機能に支障をきたすことがあります。
そのため、年齢や歯の状態に合わせて治療を検討することが大切です。
治療法には主に次の4つがあり、成長段階や口腔内の状況に応じて選択します。
おおよそ20代まで
抜歯と矯正治療
残っている乳歯は一見すると長く使えそうに見えますが、20〜30代になると自然に抜けてしまうことが多く、将来的に歯を失うリスクを避けられません。
そのまま放置すると、かみ合わせの乱れや、インプラント・入れ歯などの治療が必要になる可能性もあります。
このような将来のトラブルを回避するために、10代のうちに乳歯を抜歯し、できたすき間を矯正治療で整える方法が検討されます。
10代は骨が柔らかく歯が動きやすいため、治療の効率が高く、短期間で良好な結果を得やすい時期です。
早期に矯正を行うことで、きれいな歯並びを整えるとともに、将来の見通しを立てやすくなり、より安心して日常生活を送れるようになります。
30代以降
■ 部分入れ歯
保険適用で行える方法のひとつで、隣の歯に金具をかけて支える入れ歯です。
メリット
- 保険適用で費用を抑えられる
- 比較的短期間(約2週間)で作製できる
- 手術の必要がない
デメリット
- 金具が見えるため見た目が気になる場合がある
- 隣の歯に負担がかかりやすい
- 歯ぐきに炎症が起こることがある
- 噛みにくさを感じる場合がある
■ ブリッジ
両隣の歯を削って被せ物を作り、その間に人工歯を固定する方法です。
メリット
- 入れ歯より違和感が少ない
- 固定式で安定感がある
デメリット
- 両隣の歯を削る必要がある
- 土台の歯に負担がかかる
- 削った歯が将来的に弱くなる可能性がある
■ インプラント
人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。
メリット
- 周囲の歯に負担をかけない
- 見た目や噛み心地が天然歯に近い
- 耐久性が高く、長期的に安定しやすい
デメリット
- 手術が必要
- 自費治療で費用が高額
- 治療期間が長い(数か月~)
- 毎日の丁寧なケアが必要
※乳歯を抜いたあとのスペースが狭い場合は、矯正で隙間を確保してからインプラントを行うこともあります。
乳歯が抜けないとお悩みのときは、ヨクシオ歯科交野星田へ
高校生になっても乳歯が残っている場合、大切なのは「なぜ抜けないのか」という原因をはっきりさせることです。
早期に先天性欠如などの原因がわかれば、成長段階に合わせた治療プランを立てやすくなります。
少しでも気になることがあれば、早めに歯科医院でレントゲン撮影を受けて確認することをおすすめします。
もし原因が先天性欠如であった場合には、矯正治療が選択肢のひとつとなります。
当院では、マウスピース型矯正を中心に幅広い矯正治療を行っています。また、当法人本院には、年間150症例以上の実績を持つ「インビザライン・ダイヤモンドプロバイダー」が在籍しており、必要に応じて治療計画の共有やご紹介も可能です。高度な専門知識が求められる症例についても、安心してご相談ください。
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