
子供の歯が縦に割れているのを見つけて、驚きと不安に襲われるのは無理もありません。「なぜ割れてしまったの?」「永久歯への影響は?」「すぐに歯医者に行くべき?」など、様々な不安や疑問が頭の中を巡っているのではないでしょうか。
本記事では、割れた乳歯の原因や考えられる影響、歯科での対応方法をわかりやすく解説し、親御さんが落ち着いて判断できる情報をお届けします。
子供の歯が縦に割れている!まずは確認したいチェックリスト
子供の歯が縦に割れているのを見つけたら、まずはこちらのチェックリストを確認してみてください。
- 痛みはありますか?
- 歯茎からの出血はありますか?
- 割れた部分がグラついていませんか?
以上のチェックポイントに一つ以上当てはまる場合は、歯科医院への受診をおすすめします。
次項以降では、乳歯が縦に割れる原因や応急処置の方法などを詳しく説明しています。
乳歯が縦に割れる原因
乳歯は縦に割れてしまうことがあります。なぜ縦に割れてしまうのでしょうか。
想定される原因を3つ、ピックアップしました。
- 転倒やぶつかった時の衝撃(外傷)
- 食いしばりや歯ぎしり
- 虫歯によって歯が脆くなっている
転倒やぶつかった時の衝撃(外傷)
乳幼児期は、ハイハイやつかまり立ち、走り始めの頃にバランスを崩しやすく、床や家具の角に顔や口をぶつけてしまう事故が少なくありません。
強い衝撃が歯に加わることで、ひびが入ったり、時には縦に深く割れてしまうことがあります。
歯に外傷がある場合、見た目は何ともないように見えても、歯の内部や歯の根、周りの歯ぐきにダメージを受けている可能性も考えられます。
食いしばりや歯ぎしり
成長期のお子さまの歯ぎしりは、噛み合わせを調整する自然な行為であることが多いですが、場合によっては歯に過剰な力がかかり、ダメージを与えることがあります。
日中に無意識に行う食いしばりや、就寝中の激しい歯ぎしりが習慣化している場合の、歯にかかる継続的な負担はかなりのものです。
日々、強い力を与え続けている結果、歯の表面に小さなひび(マイクロクラック)が入り、それが徐々に深くなって縦に割れてしまうことがあります。
虫歯によって歯が脆くなっている
虫歯が進行すると、歯の硬い組織であるエナメル質や象牙質が溶かされてしまい、歯がもろく弱くなります。
弱くなった歯は少しの力でも、ひびが入ったり割れたりしやすくなります。
子供の乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く、虫歯が進行しやすいため、注意が必要です。
目に見えない小さな虫歯でも、歯の内部で組織が弱くなっていることがあり、硬いものを噛んだ時に、その部分から縦に割れてしまうことがあります。
状況別の応急処置方法

歯が縦に割れてしまった時の応急処置方法を、状況別に説明します。
- 出血がある場合
- 痛みはないものの歯は割れている
- 割れた破片だけが見つかった状態
出血がある場合
乳歯が割れたりぶつかったりして出血がある場合、まずは落ち着いて適切な処置を行うことが大切です。ポイントを順番に確認しましょう。
止血する
清潔なガーゼや布を使い、強く押さずに優しく圧迫して止血します。目安として、5〜10分程度そのまま様子を見て血が止まるか確認します。
口をゆすぐタイミング
血が落ち着き、止血できたことを確認してから、ぬるま湯で1〜2回優しくゆすぐ程度にします。
※出血が続いている間はゆすぐのは控えましょう。強くブクブクしたり吐き出したりすると、再出血の原因になります。
痛みはないものの歯は割れている
痛みはないからといってそのままにしておくのは危険です。一見軽微に見えるヒビでも、そこから細菌が侵入し、歯の神経や根に感染を起こすリスクがあります。
また、食べ物を噛むたびに割れた部分に力がかかり、より症状が悪化するかもしれません。
割れているのを見つけたら、割れた歯の破片が口の中に残っていないか確認し、飲み込んでしまうことがないように注意してください。
割れた部分を舌や指で触らないよう子供に伝えつつ、できるだけ早く歯科医院へ行きましょう。
割れた破片だけが見つかった状態
破片だけ見つかった場合は、破片を大切に保管しつつ、歯科医院へ持ち込みましょう。破片の状態によっては歯科用接着剤で元通りにすることも可能な場合があります。
保管する際は、破片が乾燥しないように注意しましょう。
乾燥してしまうと、接着できなくなります。保存するときは、生理食塩水や牛乳、または専用の「歯牙保存液」に浸して保存してください。
手元に何もない場合はお口の中で保存する方法もありますが、間違えて飲み込まないように配慮が必要です。
やってはいけないNG行動
乳歯が割れた際に避けるべき行動は以下です。ティッシュや紙で強く拭くこと、割れた歯を自分で押し戻すこと、口を強くブクブクゆすぐこと、冷水で無理に洗い流すことは、出血や感染のリスクを高めます。割れた破片を長時間口の中に置いたり、無理に触ったりすることも危険です。落ち着いて、清潔なガーゼで優しく圧迫して止血し、血が落ち着いた後にぬるま湯で軽く1〜2回ゆすぐ程度にとどめ、なるべく早く歯科で処置を受けるようにしましょう。
歯科医院での治療方法
軽症、重症ごとの歯の治療法を詳しく説明します。
- 軽症の場合
- 重症の場合
軽症の場合
レントゲンでの確認の結果、ヒビが表面のエナメル質でとどまっており、痛みや神経症状がない場合は、経過観察の処置が取られるケースが多いです。
ひびの進行を防ぐために、歯の表面にフッ素を塗布したり、歯科用プラスチック(レジン)でひびを埋めて補強したりする処置が行われることもあります。
ヒビの修復は、子供の負担が少なく、治療も比較的短時間で終わるケースが多いです。
重症の場合
乳歯のひび割れが神経まで達している場合は、専門的な処置が必要です。まず、痛みの原因となる神経を取り除く治療を行います。
乳歯であっても、この神経処置は今後生えてくる永久歯への影響を最小限に抑えるために非常に重要です。その後、神経を取り除いた部分に詰め物を入れて歯を補強し、割れやすさに応じて歯全体を保護する処置を行います。
この際、歯科医師の判断によりレジン(樹脂)で歯の形を整えて修復することもあれば、クラウン(被せ物)で歯全体を覆い噛む機能を回復させることもあります。こうした治療により、乳歯の再割れを防ぎつつ、日常生活での噛む力を支え、永久歯への影響を抑えることができます。
抜歯が必要なケース
割れが深く、歯を残すことが難しいと判断された場合は、抜歯が必要です。
抜歯後は、永久歯が生えるスペースを確保するため、保隙装置(クラウンループ)と呼ばれる装置を装着することもあります。
治療法の選択は、子供の歯の状態と年齢を考慮しつつ、歯科医師とよく相談の上、決定しましょう。
よくある質問

乳歯が縦に割れた時のよくある質問を3つ紹介します。
- 割れた乳歯は抜かないといけませんか?
- 乳歯の治療は何歳まで必要ですか?
- 割れた部分が自然に治ることはありますか?
割れた乳歯は抜かないといけませんか?
割れた乳歯は必ずしも抜く必要はありません。治療方法は割れの程度と場所、子供の年齢によって変わります。
割れが小さく、歯の表面(エナメル質)にとどまっている場合は、接着剤で修復したり、フッ素を塗布して経過を観察したりすることが一般的です。
割れが神経を刺激している場合や、歯の根まで割れている場合は、抜歯が必要になることもあります。
最終的な治療法の決定は、子供の健康状態と永久歯の成長度合いが優先されます。
乳歯の治療は何歳まで必要ですか?
子供の成長段階と乳歯が抜ける時期によって異なりますが、おおむね永久歯が生えそろうまでの小学校高学年(10歳〜12歳)頃まで必要とされています。
奥歯に残っている乳歯は、小学校高学年まで抜けないことが多いので、それまでの間は、虫歯の治療や割れた歯の修復などが必要です。
乳歯は、永久歯が生えるためのスペースを確保する役割や、噛む機能、正しい発音、そして顎の発達に大きな影響を及ぼします。永久歯が生えてくるからといって蔑ろにはできません。
割れた部分が自然に治ることはありますか?
割れてしまった歯が自然に治ることはありません。歯は骨と違って一度割れたりヒビが入ったりすると、自己修復する能力がないためです。
感染が進行すると、歯ぐきが腫れたり膿が出たりするだけでなく、歯の根の奥にいる永久歯の芽にまで悪影響を及ぼすこともあります。
割れた部分に力が加わり続けることでより深く割れてしまうこともあるため、早めに歯科医院を受診して治療しましょう。
ヨクシオ歯科 交野星田が教える乳歯の縦割れへの対応と注意点
子供の乳歯が縦に割れてしまうと、親としては驚きと不安でいっぱいになります。しかし、落ち着いて状況を確認し、適切な応急処置や受診のタイミングを知っておくことで、子供へのダメージや将来の永久歯への影響を最小限に抑えることができます。出血や痛み、歯のぐらつきなどの症状がある場合は、できるだけ早めに歯科を受診しましょう。
また、割れた破片は乾燥させずに保管し、歯科に持参することが大切です。家庭でやってはいけないNG行動を理解しておくことも、いざというときに乳歯を守る行動につながります。
ヨクシオ歯科 交野星田では、子供の歯の健康を第一に考え、症状に応じた最適な治療と丁寧なサポートを提供しており、親御さんも安心して相談できる環境を整えています。乳歯のトラブルに遭遇したときは、落ち着いて行動し、専門家に相談してください。
